中国の中央銀行にあたる人民銀行(PBOC)が、人民元安の阻止に向けていよいよ本腰を入れ始めた。 中国は、国内市場、いわゆるオンショアにおいては、人民銀行が前日終値をもとに対米ドルでの人民元の基準値を決定し、日中の変動幅を基準値の上下2%以内に抑える管理相場制を採用している。これに対して、香港を含めた国外市場、いわゆるオフショアでは人民元が自由に取引されている。 人民銀行、今年に入ってから香港での人民元買い介入に踏み切る 人民銀行は昨年8月に人民元の対米ドル基準値の決定方式を変更するとともに、事実上の人民元切り下げを実施した。その後、11月ごろから人民元はジリジリと下落してきた。そして、今年に入ってからの人民元安は、人民銀行が基準値を大きく引き下げたことが引き金だった。先安感からオフショアで人民元が売り込まれ、オンショアとオフショアでの価格差を利用した投機も発生し、それが人民元安に拍車をかけ