10月2日に出版する予定の書籍「本当に使える要求定義」がゲラの段階に入った。もう一息である。ほぼ予定文字数に収めたつもりなのに,ページ数が増えてしまったらしい。原因は図版の数が多く,しかも大きいからだと編集者に言われた…。 というわけで,今になって書き足したいことが出てきてももう書けないのだが,実は書きたいエピソードを一つ思い出してしまった。編集者がブログを用意するというので,この場に書こうと思う。私がシステム開発の要求定義で普段思っていることをズバリ言い表した,ある建築家の話である。 建築家にもいろいろあって,ニュースになるような大物の建築を手がける人もいれば,ごくごく小規模の建物を中心に引き受ける人もいる。中村好文氏は後者の典型だ。彼のオフィスは専ら廉価な個人住宅を引き受ける。私が要求定義本の構想を練っていた頃,その中村氏がテレビ番組(2006年4月13日,NHK)でこんなことを言って
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