全国に90ある国立大学に07年度段階で約3千億円の「埋蔵金」があることが財務省の調査で分かった。各大学の毎年度の予算の剰余金を合計したもので、財務省は今後、文部科学省や各大学に積極的な活用を促し、当面の交付金の抑制につなげたい考えだ。 国立大学は04年度に国立大学法人化。目的ごとに細かく予算を決めていた仕組みを改め、基礎的な運営費として一括交付し、大学の裁量で使い道を決められるようにした。予算が余った際も、国庫に返納する必要がなくなった。 「独立採算」の色合いを強めたことで効率化が進み、04〜06年度は1〜4大学が赤字だったが、07年度は全大学で黒字化を達成。04年度から毎年700億〜1100億円の予算が未使用のまま余り、4年間の総額は3001億円。各大学が施設整備費や物品購入費、研究開発費、人件費などに自由に使うことが可能で、財務省はこれを「埋蔵金」と位置づけている。 政府は「骨太