防衛省は24日、日本最西端の沖縄県・与那国島の上を通っていた「防空識別圏」の境界線を領空(領土から12カイリ)の2カイリ外側まで拡大すると発表した。領空を守るための警戒線が領土の真上に引かれるいびつな状態が解消されることになる。省内規定である訓令の見直しを25日施行する。 防空識別圏は、侵入してきた他国の軍用機などを監視する空域で、領空を侵犯する恐れがある場合には、自衛隊機を緊急発進させる。これまで、島の東側3分の1は日本の、西側3分の2は台湾の防空識別圏になっていたが、島を取り囲む形で西側に広げることになる。 沖縄県の仲井真弘多知事は「長年にわたる与那国空域の懸念が取り除かれることは喜ばしい」とのコメントを発表した。一方、台湾の外交部(外務省)は「日本側による一方的な決定」と反発しており、24日夜、「極めて遺憾であり、この決定を受け入れられないとの立場を改めて表明する」というコメント