一般に原子力ムラと言うと、政官産学の癒着による巨大かつ閉じた既得権益の集団を指す。著者は、この比喩に対して現実の「村」、つまり実際に原発が立地する地域に住む人々の生活共同体を「原子力ムラ」と呼んでいる。 両者は元来、対立の関係にある。前者のムラが中央に拠点を置き、後者のムラが地方に根ざす限り、利害が完全に重なることはない。この異質な両極がいかにして結びつき、かくも強固なムラを形成したか。そう著者は問題提起する。 興味を惹(ひ)くのは、ふたつのムラが、愛という共通項を持つという指摘だ。「愛」などと書くと変に聞こえるかもしれない。が、中央は原子力に母国の未来を託し、地域は郷土の発展と豊かさを夢見た。愛国と愛郷というちがいこそあれ、おおもとの動機が愛であることにかわりはない。 地域は言われるがまま原子力に乗せられたわけではない。推進と反対の対立でさえ、郷土を愛する気概は通じていた。だからこそ、反
3・11以降、各地で多様な反原発のデモや集会が活発に展開されています。 私たちassociations.jpは、原発を廃止するために、デモに参加する個人の集まり(アソシエーション)です。原発のない社会を目指すデモンストレーションがより大きなものになるために、一人でも多くの参加者が増えるように、サイトの運営などにも力を尽くすつもりでおります。 ここに掲載する柄谷行人さんの発言は、私たちassociations.jpの活動の意味を表現した文章です。 原発災害の状況報告やデモへの参加呼びかけなどとともに、反原発運動をより幅広く根強いものにする言説を発信していきたいと考えております。 反原発デモが日本を変える 3月11日の東日本大震災から、この6月11日で3か月が経過する。震災直後に起こった福島第一原発の事故を契機に、日本国内のみならず、海外でも「反原発・脱原発デモ」が相次いでいる。東京においても
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く