話題としてはすっかり風化してしまったけれど、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されてもうすぐ3年になる。無形文化遺産はその文化の保護と継承を目的としている。 登録時の定義では和食=一汁三菜を中心とした家庭料理だったが、実際にどれくらいの人が満足な食事をとれているのだろうか。 一汁三菜は難しくても、一汁一菜に漬け物、つまり炊きたてのご飯と味噌汁、それに煮物と漬け物があれば充分な食事になる。ご馳走はレストランで食べればいいので、普通の食事こそ家で食べたい。 和食で出汁を引く、青菜を茹でる、煮る、炊く、といった調理をするのに欠かせない道具が雪平鍋(正確には行平鍋とも)だ。『昭和初期頃の一般家庭には必ず「ジフナベ」と呼ばれる鉄製の鍋と伊賀焼きの行平鍋があった。行平鍋は陶器でできた底の浅い片手鍋で、焜炉や七輪で用いられた。主に粥や汁もの、煮物を煮る』(『食の民俗学事典』)とあるように元々、行平鍋とは

