伊藤聡「比喩をめぐる冒険――村上春樹の辿りついた新しい日本語」 2011年10月25日02:00 担当者より:『生きる技術は名作に学べ』(ソフトバンク新書)の著者であるブロガー、伊藤聡さんが村上春樹の比喩についての綴った一文です。ぜひお読みください。また、伊藤聡さんのインタビューもどうぞ。聞き手は加藤レイズナさんです。 更新日:2011/10/25 毎年のようにノーベル文学賞の候補に上がりながら、2011年も受賞を逃してしまった村上春樹。本人がどのていど受賞を望んでいるかはわからないが、いずれにせよ村上が全世界的に受容されうる小説の書き手であることはまちがいない。村上がここまで広範囲な人気を獲得している背景のひとつに、彼自身がシグネチャー(物語に刻印された、固有の作家性といった意味)と呼ぶ文章的特徴やストーリー運びが挙げられるようにおもう。 仮に村上春樹を一度も読んだことがなくても、