あるゲームで、「宗教と科学を分けるのは『新奇の予言』である」という台詞がある。科学とは、これまでの経験から帰納的にこの世の法則を導き出すものだ。これまでの「経験上」、物体は上から下に落ちる。日はまた登る。これは昨日もそうだったし、今日もそうだ。きっと明日もそう だろう。 この成功体験は、我々の脳裏に深く刻まれている。我々は無意識に、あるいは後天的な学習により、この世にはある種の規則があると 信じている 。だからこそ我々はここまで発展してきた。 ある日突然、その前提が覆されたら? 我々の経験は、ただ単純にたまたまだったとしたら? 「三体」は、その題名にある通り古典力学から問題の題材にされていた三体問題を題材とした中国の作家劉慈欣のSF小説である。この小説はいろいろなところですでに高い評価を受けているが、ここでは割愛する。 中国のSFと聞いて、「なんか共産党のプロパカンダ凄そう・・・」と思う人