東京工業大学は、同大の研究グループが、多細胞緑藻であるボルボックスが、走光性や光驚動反応などの光に対する行動を示すために、球形の体の前端部から後端部にかけて鞭毛の性質を変えていることを発見したことを発表した。 この成果は、東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所の植木紀子氏、若林憲一准教授らによるもので、1月8日、米国科学アカデミー紀要(PNAS)オンライン版に掲載された。 ボルボックス・ルーセレティの顕微鏡像と模式図。ボルボックスの細胞から生える鞭毛は全て後ろに向かって打つため、個体は自転しながら前進遊泳する(出所:東工大ニュースリリース※PDF) 淡水に棲む多細胞性の緑藻である「ボルボックス」(和名:オオヒゲマワリ)は、鞭毛を使って水中を泳ぐ生物で、近縁の単細胞緑藻クラミドモナスに似た祖先生物の多細胞化によって進化したと考えられ、研究の良い材料になっている。ボルボックスの約