昭和の映画全盛期には、教育や記録、宣伝などのための科学映画が盛んに製作された。フィルムの劣化などが原因で失われつつある古い科学映画を守りつつ生かしていこうと、2007年からインターネットでの無料公開を続けているウェブサイト「科学映像館」(http://www.kagakueizo.org/)による配信が1千作品を超えた。 運営するのはNPO法人「科学映像館を支える会」。作品を発掘し、著作権者から同意を得た後、デジタル化などの再生処理を加えて無料配信している。 初めは生命科学分野の作品が中心だったが、米国でつり橋が崩落した時の貴重な映像を収録した「振動の世界」(東京文映、1971年)や、特急列車の運行にスポットを当てた「つばめを動かす人たち」(日映科学映画製作所、54年)など工学系や産業系の作品も紹介するようにし、対象を科学全般に広げていった。記念すべき1千作品目には、国内外で多くの賞を得た