マネジャーには自社事業の専門技能はいらない、という考え方に一石を投じる研究結果が発表された。従業員の職務満足度は、「自分の仕事を上司が代わりにできるのか」に大きく左右されるという。 「人は嫌な仕事を辞めるのではなく、ダメな上司の下から去るのだ」という、古くからの格言がある。 我々の研究によれば、この言葉は真理を突いている。従業員の職務満足度を最も左右するのは上司であり、我々が測定した他の諸要因をはるかに凌いでいるからだ。 では、優れた上司の条件とは何だろうか。リーダーに関する研究の多くは、リーダーシップのスタイルやカリスマ性に注目する。しかし我々が調べたかったのは、上司の「専門技能のレベル(technical competence)」が従業員に及ぼす影響だ。つまり、上司は会社の中核事業に関する真のエキスパートであるかどうか、その分野の専門技能をどれほど持っているか、である。 上司の能力とい