【6月20日 AFP】イスラエルの農民アブネル・ヨナ(Avner Yona)さん(54)は、木の骨組みに合成樹脂のシートが張ってあるたこを掲げてみせた。身長と同じくらいの大きさがある。パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)から飛ばされて来たそのたこは、厳重な警備が敷かれている境界線を越え、ちょうど1キロ離れたナハルオズ(Nahal Oz)のキブツ(イスラエルの農業共同体)にあるヨナさんの農地に落ちてきた。 「彼らはガソリンを染み込ませた布をここからつるして、火を付ける」とヨナさんは言い、薄汚れた「たこのしっぽ」の部分を指さした。 1か月以上前からこのようなたこが境界線の向こうから多数、飛ばされて来て、数平方キロにわたる農地や保護区の森林が燃えた。 これまでパレスチナ人が使用してきた投石や火炎瓶のように、たこは3月30日に発生したパレスチナ難民の帰還を求める抗議デモのシンボルとなっ