2019年10月に予定される税率10%への消費増税の前に、「消費税還元セール」を解禁する方向で、内閣府や財務省が調整に入った。14年の前回増税では、駆け込み需要とその反動で景気が長く冷え込んだ。このことの反省から、今回は増税前後に小売業者の価格設定の自由度を高め、消費に大きな山や谷ができないようにする。 97年に消費税率が初めて3%から5%に引き上げられた後は、還元セールが全国で相次いだ。しかし、値下げ分が納品業者にしわ寄せされた疑いや、「税は負担しなくてもいいもの」と誤った認識を消費者に与える可能性が問題視された。 このため政府は、前回14年の増税(5%→8%)時に「消費税還元」をうたったセールを禁じる特措法をつくった。それも一因になり、増税を受けた値上げが増税直後に集中。消費者側に「増税前に買いだめを」との心理が強まる一因にもなったとされ、大きな駆け込み需要と反動減が発生した。 スーパ