振り子打法はイチローの攻撃性を表すスタイルだった 日米通算4257安打、MLB通算3000本安打――次々に海の向こうの歴史に名を刻む鮮やかな活躍に遠い記憶が重なってくる。 イチローが颯爽と日本球界へ登場したのは1994年。130試合制で初のシーズン200本安打を達成した夜。人気報道番組『ニュースステーション』に神戸からの中継で生出演し、キャスターの久米宏相手に、その時点で早くもイチロー流の語りを存分に披露していた。おおよそ21歳のプロ野球選手と思えない返答の数々に実に愉快そうに対していた久米の顔が蘇ってくる。その『ニュースステーション』は『報道ステーション』となり、キャスターも久米から、12年務めた古館伊知郎、さらには富川悠太へバトンタッチ。しかし、その間もイチローは変わらず、ヒットを積み上げ続けてきた。イチローフィーバーから22年の時が流れた。 「『振り子打法』と命名される前に私は『自分