文明の接近 〔「イスラームvs西洋」の虚構〕 作者: エマニュエル・トッド,ユセフ・クルバージュ,石崎晴巳出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 2008/02/25メディア: 単行本 クリック: 13回この商品を含むブログ (16件) を見る 副題に、「イスラームvs西洋」の虚構。人間は理解できないものを自分とは違う異質なものとして区別(差別)し、排除しようとする。欧米型の先進国にとって、イスラムはそうした存在かもしれない。とりわけ、911以降、その傾向は顕著になっている。エマニュエル・トッドは、そうした「常識」に異論を唱える。識字率、出生率、女子の過剰死亡率、そして内婚・外婚、父系・母系といった家族構造などのデータから各国を見ていくと、キリスト教、イスラムといった宗教上の差異よりも、こうした人類学的なデータ、家族構造の方が国や民族の行動を決定づける要因になっていることが浮かび上がってくる