南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 小学生のときに竹中直人氏を見かけた。 今から約30年前の話だ。場所は栃木県宇都宮市のアーケード街。今では日本を代表する俳優(映画監督でもある)だが、当時は知る人ぞ知る先鋭的なコメディアンだった。オリオン通りという商店街があったのだが(今でもあるけど)、そこで氏はライブを行っていた。 氏の鉄板の持ちネタに、“笑いながら怒る人”という至芸がある。首をクニャクニャ動かし、にっこり笑いながら、あのドスの効いた声で「ふざけんじゃねえ、この野郎! バカ野郎!」と怒鳴るというもの。すでに時代は漫才ブームが巻き起こっていたと思うが、当時の漫才とは異なるシュールな笑いだった。爆笑したものだけれど、同時に不気味な香りを感じ取ったものだった。ギギっと睨みながら怒鳴って
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