京都府亀岡市で7月、高齢女性がターゲットとなった特殊詐欺未遂事件があった。 被害を寸前で食い止めたのは、偶然居合わせた男子中学生の粘り強い説得だった。 「これ、どうすればいいの」。7月下旬、商業施設のベンチに腰掛け、友人を待っていた市内の中学2年生(14)に、70歳代女性が話しかけてきた。手にはスマートフォンとプリペイドカードが握られていた。 女性は、スマホのメールの指示に従って2000円分のカードの番号を入力したいという。メールには「入力すれば、9億円もらえる」と表示されており、「怪しい」と直感した。 「詐欺じゃないですか」。何度も指摘したが、女性は「違う」と首を横に振る。生徒は「自分があきらめたら、女性が被害に遭ってしまう」と、30分近く説得を続けた。近くの交番に連れて行き、警察官に事情を説明。女性も事態を理解し、被害を防ぐことができた。 今月17日、亀岡署で仲川琢也署長が感謝状を贈呈