胎児から高齢者まで1万人以上の脳を分析・研究した経験を持つ脳内科医の加藤俊徳先生は、自ら「音読がうまくできない」という困難を抱えていました。小さいころから学校で教科書を読むよう指されるたびに「地獄にいるような気持ちになっていた」という加藤先生。なぜ黙読はできるのに音読がうまくいかないのか、自分の脳を研究し続け、脳のメカニズムをもとに、どうすれば音読がうまくいくかを見つけ出しました。加藤先生が「音読困難症状」を克服するまでの道のりについて聞きました。 【写真】加藤俊徳医師 * * * 読もうと思っても読み上げる文字が頭に入らず、文の内容も理解できない……。加藤先生の小・中・高時代は、「なぜだろう」という苦悩の連続だったといいます。 「本を読むのはすごく好きだったのに、音読となるとうまくいかない。これは学生時代の悩みでもあり不思議の連続でした。国語の成績は小学校低学年のときは5段階評価