ヨーロッパで海洋貿易が盛んであった11世紀頃、地中海には「マグリブの商人」と「ジェノバの商人」と呼ばれる著名な商業集団があった。 「マグリブの商人」たちは、主にバグダッドから移住してきたユダヤ商人で、商取り引きの実行は縁故主義~身内であるかないか、同じ社会習慣をもっているかどうか~によって決められていた。 「マグリブの商人」たちは閉ざされた商集団を形成し、地中海の各地でエージェント(代理人)を使って貿易に携わり、巨利を得ていた。そして彼らはエージェントの不正を防止するため、エージェントには自分たちの仲間だけを雇い、裏切ったエージェントの情報は仲間内で記録して共有し、不実なエージェントは二度と雇わずに集団から追放することで、エージェントの利用で派生しうる問題を防止していた。 日本でも、江戸時代の商人たちによく似た商習慣がみられた。「株仲間」と呼ばれる同業組合がそれである。株仲間は、取引の独占
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