「ふざけんじゃねえよ!」 その叫びを聞いたのは1990年のことで私は26歳になっていた。もう25年も前の出来事だが当時の光景をはっきり思い出せる。そこは私が仕事を始めてから3カ所目の現場だった。 2度の大病を経て進学もせず毎日ぶらぶらし、フリーターをしながら、時にはギャンブルをして時間を潰していた私は、ある時思い立って専門学校でプログラミングを学び、中堅ソフトハウスに入社した(『「動くまで出るな」、冷凍マシン室に入れられた話』参照)。1988年のことである。 それから2年余りで3カ所目の現場に行くことになったのは配属変更願いを出したからである。厳密なルールは無かったが、同じ現場にある程度の期間いた社員は「他の現場へ動きたい」という希望がある場合、配属変更願いを出せた。 最初の現場に派遣された私はそこでソフトウエア業界の多重下請け構造を思い知った(『「新人なのに経験者」、偽の職歴で売られた話
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