日本とインドが接近する動きが加速する傾向にある。昨年はその傾向を示す事態が相次いだ。1月にはインドの共和国記念日の軍事パレードの主賓として安倍晋三首相を選んだ。5月に就任したナレンドラ・モディ首相は、主要国で最初の訪問国として日本を選んだ。この1月に訪印した岸田文雄外務大臣は、中国が領有権を主張しているインドのアルナチャル・プラデシュ州は「インドの領土」であると明確に表明した。 日印間の連携はこのまま強化が進んでいくのだろうか。これを疑問視する見方もある。インドは同盟関係を結ぶことによって、かえって、外交政策を自ら主導的に決めることができなくなることを恐れているからだ。だからインドでは、「非同盟」という言葉が、一定の支持をもって受け入れられている。 一方、日本にもインドを低く評価する向きがある。インドはまだまだ貧困にあえぎ、多くのトラブル・犯罪の話に事欠かない国である。軍事的にも、米国のよ