陸前高田の巨大ベルトコンベヤーはいったいどんな町をつくるのか。震災が一気に進めた人口流出に、市町村ごとの分散投資で抗えるか。 かの有名な「奇跡の一本松」のほど近く。岩手県陸前高田市の中心、高田地区には、全長3キロものベルトコンベヤーが空を覆うほどに張り巡らされている。 気仙川の向こう側に見える、海伐130メートルほどの愛宕山は、宅地などを造成する高台とすべく、8機の巨大破砕機で50メートルまで削られている。発生する大量の掘削土は、ふもとの今泉地区と川向かいの高田地区に運ばれて、最大12メートル、大半が10メートル超という膨大なかさ上げのために使われる。両地区合わせて約300ヘクタールに上る土地区画整理事業は被災地最大規模だ。 事業主体のUR都市機構によれば「ベルトコンベヤーは毎日2万立方メートル(ダンプ4000台分)の土砂を運べるので、ダンプなら10年かかる工期が4年で済む」。気仙川を跨ぐ
![オーバースペックの復興 1100億円で12mかさ上げる陸前高田](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/30ec10cb5e1830f8c65798c9555c761d4f1b7ff3/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwedge.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F0%2F0%2F1024%2Fimg_0082d87d4775d82a26ee3edae117d875101207.jpg)