2020年という年を、アメリカ合衆国、しかもニューヨークで過ごした。一度はコロナ禍の一丁目一番地となっていた「世界の首都」で、自宅隔離状態の窓から見えた景色は、次々とつきつけられる矛盾に悲鳴を上げ続けるアメリカという国の姿だった。自らも新型コロナウイルスに感染、そして復帰した現地在住者によるレポート。 アメリカ格差の象徴「医療制度」の闇 私は2013年からニューヨークに移住し、デジタルの技術系クリエイターとして、アメリカと日本の双方でお仕事をさせていただいている。移住以来7年、最初は手探りでわからないことだらけだった海外の生活にも慣れ、アメリカという国の「クセ」のようなものもわかり、処世術も身についてきた。 2020年2月、私は出張で東京にいた。ニューヨークに家族を残して、2週間、東京で仕事をしていた。仕事の束の間、久しぶりに日本のサウナに行って“ととのって”いるとき、サウナ内のテレビでは