明日10日にアルゼンチン大統領に就任予定のハビエル・ミレイ氏。元エコノミストにして「アルゼンチンのトランプ」の異名を持つ彼は、なぜ民衆に支持を受け、どんな「破壊的改革」を推し進めようとしているのか? 『マネーの代理人たち』の著者で、経済ジャーナリストの小出・フィッシャー・美奈氏が、これからの日本を考える上でも無視できない、アルゼンチンのを現在地とそこに至る歴史的背景を解説する。 中央銀行を「ぶっ壊す」―アルゼンチン「チェーンソー」大統領の誕生 経済がうまくいかず、格差が広がり、民衆の怒りが膨らむと「ポピュリスト政権」が誕生しやすい。 その例が「右」と「左」両方でポピュリスト政権誕生の続く中南米だ。 ベネズエラ(参考記事:ベネズエラを事実上のデフォルトに追い込んだ「ポピュリズム」の恐怖)やメキシコがポピュリスト左派。ブラジルでは2018年からポピュリスト右派政権が続いたが、昨年秋の大統領選挙