MBS制作の「コミック捕物帖まげもの110番」は、劇場・南街シネマで上演されるコメディ時代劇を中継していた番組。下級役人を演じるいとし・こいしのほか、茶川一郎や大村崑など往年のコメディアンが出演していた。このたび見つかったのは同番組の23話「屋根の上の捕物の巻」。大村崑がセットの瓦屋根を「ベニヤ板や」とバラし、茶川一郎が「予算の関係」と返すメタシーンなど、現代のお笑いに通じる場面が多く収められている。 この第23話は、MBSがテレビ放送を開始した1959年3月からわずか1年後の映像で、モニターに映されたものを16mmフィルムカメラで撮影する形で保存されていた。当時、VTRは非常に高価だったため番組保存に利用されることはなく、MBSのライブラリには開局時の自社制作番組はほとんど残っていない。今回発見された映像は、当時のCMまで残された完全なもので、関西お笑い史にとって貴重な資料と考えられる。