日本に住む我々にとっては、突如現われた謎のギタリスト、というのが正直なところ。まずは“砂漠のジミヘン”と呼ばれるエムドゥ・モクターについて、ギタリストとしてのプロフィールを簡単に紹介しておこう。 文=福崎敬太 写真=WH Moustapha ニジェールのカリスマが世界に知れわたるまで。 エムドゥ・モクターは“青衣の民”と呼ばれるトゥアレグ族の出身。インディゴ・ブルーに染め上げた伝統衣装が特徴のひとつとされる、遊牧民である。生年月日はさだかではなく、1984年または1986年生まれとのこと。彼の出身地であるアガデスは、西アフリカに位置するニジェール共和国の中央部にあり、サハラ砂漠地帯の交易とともに発展した、多くのトゥアレグ族が生活している地域だ。 写真左から、アモウド・マダサネ(g)、マイキー・コルトン(b)、エムドゥ・モクター、ソレイマヌ・イブラヒム(d, perc)。 彼がギターに興味を