かつて国民的テレビ番組だった『水戸黄門』(TBS系)を覚えていますか? 身分を隠した水戸光圀(水戸黄門)一行が諸国漫遊の旅先で、悪徳商人や悪代官から被害を受けている人たちと出会うところから話は始まり、家臣の助さん・格さんらが事件の真相を探り、最後は葵の御紋の印籠を掲げて一件落着というお話です。毎回、同じパターンなのですが、多くの日本人に愛され、長年にわたり放送されてきた人気番組でした。 では、なぜ『水戸黄門』は人気があったのでしょうか? その理由のひとつに、「事件(トラブル)発生→解決という時間配列」「登場人物のキャラクターの明確化」といった人々を物語に惹きつける要素が、一話完結のドラマにきちんと組み込まれていたことが挙げられます。 『水戸黄門』では、必ず事件(トラブル)が発生します。そのトラブルには、3つの立場の登場人物がいます。 ・英雄:水戸黄門 ・悪人:悪徳商人、悪代官 ・犠牲者:善