日本初の大型調査報道チームが…… それは、真のジャーナリズムの姿を体現しているように思えた。日本で2番目に大きな日刊紙・朝日新聞による大型調査報道により、福島第1原発の作業員たちが、命令に違反して撤退したと報じられたときのことだ。 2011年3月、福島第1原発で3度にわたるメルトダウンが起きてからというもの、朝日を含む日本のマスメディアは、はじめ、政府による「すべてはコントロール下にある」という発表報道を垂れ流していたことで、世論の批判を受けた。 今回の記事は、失われた読者による信頼を取り戻すために、大々的につくられた調査報道専門チーム「特別報道部」(特報部)によるものであった。 特報部の記者は、その後も3年にわたって独自の調査報道を進め、数々の賞を受賞した。だが2014年5月に発表された「所長命令に違反 原発撤退」の記事は、特報部に属するエース級記者の何人かにとっては、最後の記事になって