Text by Yasushi Kurihara 栗原康(政治学者) 1979年、埼玉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科・博士後期課程満期退学。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。2017年に池田晶子記念「わたくし、つまりNobody賞」受賞。最新刊に『死してなお踊れ 一遍上人伝』(河出書房新社)。ほかの著書に、『大杉栄伝 永遠のアナキズム』(夜光社、第5回「いける本大賞」受賞)、『はたらかないで、たらふく食べたい 「生の負債」からの解放宣言』(タバブックス)、『現代暴力論 「あばれる力」を取り戻す』(角川新書)、『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』(岩波書店)などがある 家も家族も財産も、すべてを捨てた一遍上人は、踊り狂った。渾身の評伝『死してなお踊れ 一遍上人伝』を上梓したばかりの、最注目の政治学者・栗原康が、その「踊り念仏」の精神の背景を、「クーリエ・ジャポン