人生で二つ、習い事の経験がある。一つは小学一年生から三年生くらいまで通っていた少年少女合唱団。僕はそこの二十期生で、一期生には片岡鶴太郎さんがいたらしい。もう一つは公文式。計算がひどく苦手だった僕の将来を親が心配したのか知らないけれど、四年生のとき、気がつけば週一で通っていた。 あれは忘れもしない小学一年生だったか二年生だったか。日曜日の朝になんとなくテレビをつけたら『キン肉マン』というアニメをやっていた。見はじめてすぐに僕は、「超人」という言葉にグッときて、それぞれが持つ「必殺技」にこうふんし、主人公が格好悪いという事実にきょうかんをさそわれた。当時は「興奮」も「共感」も「誘」も書けなかった。 ただこの『キン肉マン』、毎週日曜日の朝に放送されるのだが、僕は二週に一度、日曜日の朝早くから合唱団の練習に行かなければならなかった。その頃は家に録画機器などなかったので、僕は余儀なく『キン肉マン』