ワールドカップ(W杯)・ドイツ大会で開幕戦と決勝の笛を吹いた初めての主審が、アルゼンチン出身のオラシオ・エリソンド氏である。今大会ではグループリーグの3試合(開幕戦のドイツ対コスタリカ、チェコ対ガーナ、スイス対韓国)と準々決勝のイングランド対ポルトガル、そしてイタリアとフランスによる決勝の計5試合を担当した。準々決勝では、カルバーリョの股間を踏んだルーニーを一発退場にし、決勝ではマテラッツィに頭突きをしたジダンに、レッドカードを提示。一躍“時の人”となったが、その毅然(きぜん)とした判定は高く評価されている。決勝の余韻も冷めやらぬうちに、エリソンド主審に話を聞いた。 ■すべてが素晴らしい経験だった ――今大会での出来事すべては、夢のようだと言っていましたね。その夢からは覚めましたか? そう思います。アルゼンチンの自宅に戻って、徐々に日常に戻っています。特に精神面ですね。ドイツで過ごした日