独立行政法人産業技術総合研究所 セルエンジニアリング研究部門 平野 隆 主幹研究員 一昨年来、次世代型のシーケンサーが欧米3社から相次いで上市され、ゲノム研究は新たな局面を迎えている。これらの新機種は、短い塩基配列をきわめて速く読め、コストパフォーマンスが良いのが特徴である。DNAの増幅にビーズを用いる、塩基別に発光させた像をコンピューターに取り込んで配列を読むなどの工夫が施され、従来型の約100倍にあたる「1台あたり1日に約3億塩基」の配列を決めることができる。産業技術総合研究所は、こうした次世代シーケンサーを用いることで、解析技術基盤の確立、創薬につながるヒトゲノム情報、有用生物資源のゲノム情報の獲得などを目的にした新たなプロジェクト「ギガシーケンサーを用いた先端バイオ研究基盤に関する研究開発」を沖縄県と連携して立ち上げた。 今回のプロジェクトは、内閣府の沖縄県特別振興対策調整費を原資