先日、永井荷風『断腸亭日乗』が岩波文庫として出版されました。今まで抄録は岩波文庫に入っていましたが、今回は全編が収録予定で今後続々と刊行される予定とのことです。『断腸亭日乗』のすべてを閲覧するには今まで『荷風全集』(特に1990年代に岩波書店から出版されたもの)を参照するしかなかったので気軽にアクセスできるようになるのはありがたいです。(『荷風全集』は国会図書館デジコレに収録されていますが館内限定公開。) 岩波文庫の表紙 それだけではなく、今回の文庫の目玉は圧倒的なボリュームがある註釈です。ボリュームのある註釈では、以下の記事で紹介した柳田国男『明治大正史世相篇』(角川ソフィア文庫、2023年)が非常に良かったので、今回の『断腸亭日乗』も楽しみにしていました。 そこで、この註釈を確認してから購入しようと思って近くの書店に行って立ち読みしてみると、拙noteでも度々紹介している平澤哲雄の註に