――今回はこの『Gレコ』が、誰に向けて、何が描かれるかをお聞かせ下さい。 富野:うーん、中学生……もう少し下げて小学生高学年から高校生までをコア層にしたいですね。これまで『Gレコ』では“リアル”という言葉を使ってきたけど、それは子供も分かるリアルであって、大人に訴えるリアルではないんです。小学校4、5、6年、中学1年の頃って、人間の成長にとってとても大切な時期でしょ? その頃に覚えたものって、死ぬまで記憶に残るでしょうし、人生の目標になる様なものを手に入れられるかもしれない年齢でもある。だから、こういう作品はその年齢層に向けて作るのが一番正しいと思っています。 何を描けば良いのかという部分については、3.11の震災以後に変わってきましたね。今はまだ頑張ろうという気持ちになれるだろうけど、10年後、今の子供たちが20歳前後になった時、その心には深刻なものが残っているに違いない。『Gレコ』はそ