最近、民主党が「内需拡大」を盛んにいうようになりました。「自民党は企業に金をばらまいて輸出産業で景気を回復させたが、人々の生活はよくならなかった。民主党は可処分所得を増やして内需を拡大する」という論理です。もともとマニフェストになかった「成長戦略」の項目に子供手当を入れた苦しまぎれの説明ですが、私のブログでも書いたように、これは経済学者のいう内需拡大とは違い、定額給付金と同じ所得移転にすぎない。 もっとも経済学者が正確に理解しているともかぎらず、竹森俊平氏は「内需型のサービス業はリーディング産業ではない」と批判して、「ものづくり立国」を奨励しています。これは内需拡大という言葉もよくないのでしょう。現在の問題は前川リポートの時代とは違い、日本の経常黒字が大きすぎることではなく、産業構造が片寄っていることです。労働人口の1割しかない輸出産業の労働生産性が圧倒的に高く、非効率なサービス業がそれに