ちょうど1年前、群馬県で一件の強盗殺人事件があった。しかしその実態は、“小説より奇なり”を地で行くような事件だった。「5つの架空アカウント」「架空の女に操られた実行犯の男」「集められた自殺願望の女性」「元カレへの報復」──裁判を傍聴し、事件の当事者にも取材したジャーナリストの高橋ユキ氏がリポートする。 * * * SNSで自殺志願者を集めた集団自殺でもなければ、純粋に金銭目的の犯行でもなかった。実行犯に仕立て上げられた男が法廷で語った事件の全貌は、にわかに信じられないような複雑怪奇なものだった。 群馬県中之条町で昨年8月、自殺願望があったとされる女性Aさん(48=当時)が殺害され、所持品を奪われた事件で、強盗殺人罪などに問われた小船治(35)の裁判員裁判が今年7月、前橋地裁で開かれた。すでに懲役27年の判決が確定しており、現在は受刑者となっている(求刑懲役30年)。 起訴されたのは、小船受
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