鳥類のヒナが最初に目にした動くものを親であると信じ込む刷り込み。それほど強烈ではなくとも、私たちは出会ったときに受けた印象に、その後も長く引きずられる傾向が強い。そのため、何よりも重視されるのが、多数の子供たちに対して一方的に情報を与えることのできる学校教育や、新しい製品や概念を一致団結して紹介して新しいブームを作り上げる力を持つマスコミである。 学校で江戸時代はひどかったと教えば子供たちはそう思い込み、時代は進歩して民主的で人権が守られる社会が実現されつつあると教えれば子供たちはそう思い込む。そうした社会を作るために先導してきたのが西洋文明であると教えればそう思い込む。昔は公害がひどかったが、今は対策が取られるようになったと教えれば、下水処理場ばあれば合成洗剤を使っても問題ないはずだと判断するようになる。 そうして、いったん知識を植え込まれてしまうと、その知識に反する意見を受け入れること