従わない場合、30%と高率の源泉税が課される。この分だと、外国金融機関をいたずらに米国離れへ追い込みかねない。規制の詳細が明らかとなるに及んで、米国内では「外国資本を遠ざけるこんな規制など、経済的自殺に等しい」などとする反対意見が出始めている。 邦銀関係者の間でも、膨大な実務を強いるものとしてFATCA(Foreign Account Tax Compliance Act)はつとにセミナーの主題となり、話題となっている。 その割に、昨今の本邦経済ジャーナリズムが受信解読能力をとみに落としている表れか、少なくともこの1年、邦字紙にめぼしい報道を見ない。 The Banker誌が本年5月1日号で報じたところによると、FATCAとは次のようなものである。簡便のため箇条書きにしてみよう。 (1) FATCA単体の立法化がなされたわけではない。本年3月、連邦議会上院が可決し大統領の署名を得て発効した