上映が開始されると、ホールのスペースは448m2と広大だが、その空間に負けない巨大な音場が展開する。しかし、音の密度は非常に高く、冒頭の暴走シーンにおける車、バイクの爆発音が前方から強烈に浴びせられる。普通のシステムでは“分厚い中低音に圧倒される”と形容するところだが、中低音の解像度が非常に高く、含まれる金属質な破裂音がどこまでも高く伸びるため、“分厚い”という音のカタマリはイメージできない。極めて細かな音の粒をバケツで思い切りたたきつけられたような、今までに体験したことのない強烈なサウンドだ。 ボリュームはかなり高いが、解像度が非常に高いため、まったくうるさく感じない。高ボリュームでも個々の音がしっかりと描写されるため、“心地よい”という感覚の方が強く、この“音離れの良さ”が広大な音場を感じさせる要素の1つではないかと考えられる。その音場に響く山城組のケチャは気味が悪いほどの静かさと地鳴