『オウム事件 17年目の告白』をやっと読みました。 この本の中で、じつは僕が一番衝撃を受けたのは、上祐氏の文章ではなく、上祐氏が対談した写真家の藤原新也氏の話です。 「サリン事件後に、藤原氏は麻原の視覚障害が、あの水俣病の結果ではないかという仮説を立てた。麻原が熊本県八代市の出身で、水俣病の被害地域であること、そして麻原の撒いたサリンが、水俣病と同じように視覚障害をもたらすものだったからだ。つまり、麻原は『目には目を』の精神で、多くの人を自分と同じ視覚障害に導こうとした、というのだ」 そして、藤原氏は、麻原の長兄との面会に成功します。麻原は幼少から弱視でしたが、長兄は全盲でした。 「藤原氏は、自身の仮説を長兄にぶつけた。すると長兄は、『よくそこに気づかれましたな』と答えたという。そして、自分と麻原のために、水俣病の被害者認定の申請をしたが認められなかったこと、認定を求めて闘いを続けると共産