ソーシャルゲームの開発中に退職した従業員らが,会社から開発頓挫の責任を追及された事例。 ■事案の概要 Xは,平成26年2月,ソーシャルゲームの開発を目的として設立され, 最大20対20の大人数のリアルタイムバトルができるという特徴を有する本件ゲームの開発を行うこととなった。 Y1,Y2兄弟は,Xの設立前から,Xのグループ会社の依頼を受け,本件ゲームの開発に関わり, Xが設立された後には,Xの従業員となって,本件ゲームの開発に従事した。 当初は,本件ゲームは同年3月18日までにリリースすることを目標としていたが,これに間に合わず,延期された。 その後,Y1は,同年5月21日付けで,Y2は,同月25日付けでXを退職したところ, Xは,Yらが開発設計仕様書も作成せず,突然の退職によって本件ゲームの開発が頓挫して損害を被ったとして, 主位的に不法行為に基づく損害賠償として,予備的に労働契約上の債務