昔研修させてもらった病院はUSネービーホスピタルと提携を結んでいた。むこうに脳神経外科が無いためだったのか、当院には時々、頭部外傷の米兵が入院してきた。 アメリカ人、特に黒人の軍人などはもう同じ人間とは思えない。体重は余裕で100kgを超えているのに全身筋肉だし、輸液ラインも手首から14G が余裕で入ってくる。親指が楽に入るような傷であっても、ちょっと押さえればすぐ止血する。あれだけの銃社会で撃たれても死なない人がいるのにも納得。こんな連中と日本人がほんの60年前に戦争できたなんて、本当に信じられない。 頭部外傷だから、患者さんの理性はすでに無し。会話は通じないし、目つきはもう獣のそれ。殺る気満々。そんな状態でも、本人を連れてきた衛生兵(私たちはターミネーター1号、2号と呼んでいた。)が耳元で何かささやくと、次の瞬間ストレッチャーの上で直立不動の姿勢になり、以後動かずにCTがとれた。 映画