「乗り越えられない壁はありません」名伯楽・中村清さん35回目の命日 陸上と選手を愛した姿は瀬古利彦さんらの中に息づく 2020年5月27日 17時52分
受験のストレスで走る気力がなくなり、10キロ太る 瀬古は大学入学前に大きく躓つまずいている。 インターハイなどで目覚ましい成績を残していた瀬古には多くの大学から誘いがあった。中でも高校の監督から陸上に力を入れている、自らの出身校を強く薦められた。 「でも(陸上部の)部長は早稲田に行ったらどうかって。うちの父は“ずっと走るわけじゃないし、行けるんだったら早稲田大学のほうがいいんじゃないか”って。それで早稲田を受けたんです」 瀬古は一般入試で教育学部と商学部を受験することにした。陸上の成績が加味されるため、ある程度以上の成績を取れば合格だと聞かされていたのだ。ところが両学部とも不合格――。 「もう目の前が真っ暗になりましたよ。俺の人生どうなっちゃうんだろうって思いました」 そこで二人の跳躍競技の選手と共に南カリフォルニア大学陸上部で練習しながら、翌年の受験に備えることになった。 「5月からロサ
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