(承前) グローバル時代には、新興国から先進国まで幅広くカバーする製品展開をできることが勝者の条件だ。だが、従来の経営のやり方のままでは膨大な経営資源を必要とする。そこで、ドイツVolkswagen社(以下、VW)が2007年から本格的に取り組んでいる「Modular Toolkit Strategy」が2010年ごろからにわかに脚光を浴び始めた(第19回参照)。さらに、トヨタ自動車は「Toyota New Global Architecture」(TNGA)を、日産自動車は「日産CMF」(CMFはCommon Module Familyの略)を打ち出した。 トヨタ自動車および日産自動車の発表を聞くと、Modular Toolkit Strategyと異なるように思えるが、狙いは同じ「モジュール化」だと考えている。自動車は「擦り合わせ型製品の典型」といわれるが、擦り合わせとは個別モデル用に