文・ウェッジ書籍編集室 人間と感染症の戦いは今に始まったものではありません。日本人は実は古代より幾度となく苦しめられてきたのです。それを証言するのが、今年(令和2年)で編纂1300年を迎える『日本書紀』です。 『日本書紀』によれば、第10代崇神すじん天皇の時代に疫病が蔓延したという記述があります。疫病に苦慮した天皇は三輪山みわやまの神を祀ることで鎮静化を図りますが、その舞台となったのが奈良県桜井市にある大神おおみわ神社です。そこには日本神話によく登場するオオモノヌシが祀られており、日本最古の神社として知られています。 ここでは、『日本書紀に秘められた古社寺の謎』(神道学者・三橋健 編、ウェッジ刊)より、オオモノヌシが祀られた経緯に、疫病蔓延が深く関わっていたことを見ていきます。 三輪山の神オオモノヌシ伝承を綴る『日本書紀』 奈良盆地の東辺は青々とした山並みが続いていますが、その東南の一角に
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