UXに本腰のマイクロソフト 「この不況の時にこそUXデザインを!」――Microsoftが開催したウェブ開発者向けカンファレンス「MIX09」で、同社のBill Buxton氏は基調講演の冒頭、会場に訴えかけるように大きな身振り手振りでこう切り出した。 不況に喘ぐ現状と大恐慌時代を照らし合わせ、大恐慌時代の1926年にKodakが黒1色で販売していたカメラを多色展開し、付加価値をつけて販売していた例を挙げ、不況の時にこそデザインが重要視され、革新的なプロダクトが誕生するチャンスだと訴えたのだ。 このシーンは衝撃的だった。以前のMIXでは、こうまで言い切ることもなかった。これまではテクノロジー視点から「ユーザーエクスペリエンス」(ユーザー体験、以下UX)が語られることが多かったのだが、今回は違う。UXが基調講演の冒頭からデザインプロセス主体で語ったのだ。MicrosoftのUXに対する本気度