前回見たように、インターネットは通信の混雑に強い。しかし、通信機器やケーブルの被害に対しては意外に脆い。インターネットは光ファイバーや銅線といったケーブルと、データを転送するルーターを組み合わせたものにすぎない。ケーブルが切れたりルーターが故障してしまうと、当然のことながら通信できなくなる。 まずはインターネットの構造を見ていこう。インターネットはインターネット接続事業者(ISP)のネットワークを、互いに接続して構成した巨大なネットワークである。ISPのネットワーク構造は事業者によって異なるが、おおむね図1のような構成であると考えていい。東日本大震災では幹線ケーブルやアクセス網とその設備に物理的な損壊があった。 東日本は東京、西日本は大阪に、ISPのネットワークの中心となるNOC(ネットワーク・オペレーション・センター)があり、各県(または各地域)ごとに県(地域)の中心となるアクセス・ポイ
![[2]幹線ケーブルが不通になったISPも](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)