(天正元年夜、歴史上では羽柴秀吉の軍は京極砦を急襲し、浅井長政とその父を自害に追い込むはずだった。同夜、私たち未来人3人組、オババとアメリッシュと弥助は仲間の久兵衛とともに秀吉軍にいた。秀吉は信長に罪に問われたとデマを流し、敵の浅井長政に助けを求めた。要塞である山城を落とすため、囮(おとり)となった、わずか200人の秀吉軍に私たちはいた) 人生の穴 1573年、小谷城に至る道 「止まれ!」 小谷城に至る砦の道を、兵に従いもくもくと歩いていくと、前方から野太い声が聞こえてきた。 野太い声が聴こえりゃ、大抵、いいことないからね。どんなドラマだって野太い大きい声を善人は出さないから。それ、ドラマや映画のお約束。だから、私、怖くなった。 いいか、戦国時代の野蛮人ども。 21世紀の清潔世界からきた文明人は、こういう野蛮な声だされると、思いっきり怯えるからね。そこ、忖度するところだから。 右側は山を下