不思議な人物、小野篁(おののたかむら)について聞いたことがあるでしょうか? 公卿であり、役人でありと、いくつもの顔を持ちつつ、なんと冥界の役人でもあったと言われる小野篁。その素顔とはいったいどのような人物なのでしょうか? Array 小野篁とは 小野篁は平安時代前半に生きた人物で、小野妹子の子孫とされています。若い頃は父に従って赴いた陸奥の国で、弓馬を得意として活躍していましたが、のちに学問に励み、和歌、漢詩、武芸にも非常に優れていたので、嵯峨天皇に仕え、官職を歴任して出世をします。 ところが遣唐副使に命ぜられるも、遣唐使の藤原常嗣が、自分が乗るはずの船が壊れてしまったので、小野篁が乗るはずの船に勝手に乗り換えようとしたことに腹を立てて対立し、小野篁は仮病を使って渡航を拒否してしまいます。ほかにも朝廷に対する批判を詩にしたことで、嵯峨上皇の怒りを買い、隠岐に島流しにされてしまいます。 やが