進化というのは、既存の科学と決定的にちがうところがある。それは実験的な検証が不可能で、間接的にしか行えないこと。基礎となるのは150年前に提出された天才ダーウィンによって書き下ろされた種の起源という本。しかし数学とコンピュータ、さらに分子生物学、synthetic Biologyの発展により、進化は構成可能かどうか、さらなる理論化は可能か、というところにやってきた。特にこの10年の莫大なデータの生成と解析により、進化論は新しい側面を迎えるかもしれない。 この秋から新たに始動を始める新学際科学科は、その構成メンバーに進化生態学の主力メンバーをそろえ、かつ講義として進化・認知コースを掲げている。進化の科学は基本的に学際的なものである。数学・物理・化学・生物学・哲学・地理・歴史、それらの総合的知として初めて成立するものである。そこで、この新学科の開催を記念しつつ、進化を現在どう考えているか、それ